「バター系や乗り系のトリックをやるのにおすすめの板って何?」
「柔らかい板の方がバター系トリックって覚えやすいの?」
「スタイルのある乗り系やバター系トリックをできるようになりたい!」
という疑問をお持ちではないでしょうか。
例えばグラトリライダーがオーウェンという技をやっていても、板の上がっている高さが違ったり、踏んでいる位置が違ったりすると、全然違う技に見えることがありますよね。
実はバター系トリックと乗り系トリックは一見同じように見えるのですが、体や板の使い方は結構違う点が多いです。
ですので、「乗り系」というジャンルをさらに「バター系」と「点乗り系」という2つのジャンルに分けて、
- バター系と点乗り系の違い
- それぞれに向いている板の特徴
- バター系と点乗り系でおすすめの板
を紹介していきます。
「バター系と点乗り系ってそもそも同じに見えるけど、何が違うの?」と感じる人が多いと思うので、まずはバター系と点乗り系のトリックの違いを定義していきますね。
すぐにおすすめ板を見たい方はこちらからご覧ください。
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バター系と点乗り系グラトリの違い
- 比較的板は上がらず、雪面についたままの動きが多い→バター系
- 板が上がっていて、トリックの最中に板の裏側が見える動きが多い→点乗り系
という特徴があり、ほぼ同じ技でも全然違う技に見える場合もあります。
当然必要となるスキルも変わってきますので、SNOWPICKSでは一口に「乗り系」と言っても、そのなかに「バター系」と「点乗り系」があると定義してそれぞれの解説をしていきます。
まずは各ジャンルの詳しい解説をご覧ください。
バター系グラトリの例
バター系グラトリとは、バターナイフでバターを塗るように雪面を板でなぞる動きをするトリックです。
例えば、バックサイドバターやマリスといった技はバター系グラトリを代表するトリックです。こちらの動画がバックサイドバターとマリスの動画なのでご覧ください。
バックサイドバター
マリス
バターナイフでバターを塗るような感じに見えると言いましたが、伝わりましたでしょうか?
バター系は板の高さより動きの滑らかさを追求する乗り系のジャンルです。
バター系といえば、上記のマリスをやっているFANATICライダーの「内田大介さん」という方が有名で、昨今のバター系グラトリブームの火付け役と言っても過言ではありません。
さらっと感がなんともかっこいいライダーですので、バター系グラトリを練習したい人はぜひインスタグラムをフォローしてみてください
点乗り系グラトリの例
次に点乗り系グラトリとは、出来るだけ足元より板の端で乗ることで板を高くあげて、板の高さを追求していく乗り系です。
例えばオーウェンをする時に板が高く上がっている人がいますよね、ああいった乗り方をグラトリ界隈では「点乗り」と呼んでいます。
ここまで点乗りが上手い人は中々いないので是非見てみてください!
点乗りは、高いバランス感覚が求められますので技のメイク率を上げることが非常に難しいグラトリです。
バター系グラトリにおすすめの板5選
まずはバター系グラトリにおすすめの板を5枚紹介します。
ここまで読んだ時点で、点乗り系の板を見たい人はこちらからスクロールして読み進めてください。
バター系グラトリにおすすめの板の特徴は下記になります。
- センターが柔らかい板
- 足下(ビンディングの下)が柔らかく板を踏みやすい板
- エッジの引っかかりが少ない板
バター系トリックをするときはプレスの乗せかえなど、足下でのスムーズな体重移動が非常に重要になります。
ですので、「足もとで板をしならせやすい板」がバター系グラトリに向いています。
また、なめらかなトリックをするためにはエッジの素早い切り替えも必要なので、エッジの引っかかりが少ない板がバター系グラトリに向いているといえます。
それでは具体的な板をご覧ください。
1.足元の操作のしやすさなら「MOSS FIFTY-FIFTY」
1本目に紹介するのはMOSSのFIFTY-FIFTYです。
ダブルキャンバー形状×ソフトフレックスにより足元の操作がしやすいのが特徴です。
私自身元々は点乗り系を得意としていたのですが、実際にFIFTY-FIFTYに変えたシーズンは、ノーズからテールへプレスを載せ替えるバター系グラトリが格段に上達しました。
軽くて柔らかくて初心者でも扱いやすいため、まさにこれからバター系グラトリを練習したい人にオススメの板です。
2.中高速域でトリックをするなら「FANATIC TRICKMASTER」
2本目に紹介するのはFANATIC TRICKMASTERです。
バター系グラトリブームの火付け役である内田大介さんが乗っている板ですね。
TRICKMASTERの特徴は以下の2点です。
- ダブルキャンバー形状で、エッジの引っ掛かりが少ないロッカー形状
- エッジグリップの良いキャンバー形状の良いとこどり
僕も昔に使っていたのですが、少しの体重移動によってプレスの乗せかえが簡単にできました。
またダブルキャンバー形状ではあるものの、ある程度ハリがあるため滑るスピードが早くなってもトリックがしやすいです。
3.バター系とカービングを両立したいなら「RICE28 RT7」
3本目に紹介するのはRICE28のRT7。RICE28の大人気定番モデルですね。
しなやかでありながらエッジはしっかり噛み、反発力の高いRT7は長年に渡って多くのグラトリライダーから愛されてきました。
カービングとグラトリの両立をコンセプトに作られた板のため、グラトリをやりやすいフレックスバランス且つ中高速域でも安定してバター系グラトリをすることができます。
定番のキャンバー形状の板を使って、中高速域でバター系トリックを楽しみたい方にオススメです。
4.バター系グラトリを始める初心者におすすめ「FNTC TNT-R」
4本目に紹介するのはFNTCのTNT-Rです。
これからバター系グラトリを練習していきたいという人にオススメの板です。
TNT-Rは、ダブルキャンバー形状なのでエッジの引っかかりを軽減することができます。
バター系グラトリは、繊細なエッジコントロールが求められるためピッタリですね。
また、この板は低中速域でのトリックに適した柔らかめのフレックスバランスのため、まだ中高速域でバター系グラトリを練習するのは少し怖いという方に適した板と言えます。
5.いいとこ取りの可変キャンバーなら「SPREAD LTB」
次に紹介するのはSPREADのLTBです。
LTBは可変キャンバーといって、キャンバーボードの形状でありながら、「ターンからターンの間は板が雪面に対してフラットな形になる」という変化系のキャンバー形状を採用したモデルです。
キャンバー同様の反発を持ちつつも、ノーズ・テールにフラットの部分を広く設けています。
接地面積が大きくなることで安定性が向上し、ドライブトリックや板をスライドさせるトリックなどがやりやすいです。
点乗り系グラトリにおすすめの板5選
ここからは点乗り系におすすめの板を紹介していきます。点乗り系グラトリにおすすめの板の特徴はこちら。
- ノーズ、テールのフレックスに対して、センターのフレックスが柔らかすぎない板
- 足下よりも板の端っこに乗れるポイントがある板
同じ点乗り系グラトラーでも、実はバランスを取ることが苦手な人や、板を高く上げるために足を引き上げることが苦手な人など、個人によって得意不得意や点乗りのやり方が異なります。
ただ「ノーズ、テールに乗りやすい」ということは共通していますので、今回はノーズ、テールに乗りやすい板を中心に紹介していきます。
あとは点乗りの醍醐味は何と言ってもソールのデザインを見せること。ソールが自分好みかどうかも踏まえて選んでみてください。
1.センター硬めのTHE・点乗りなら「SPREAD LTA」
まずはSPREADのLTAという板を紹介します。
LTAはSPREADの板のなかでも比較的センターのフレックスが硬めに作られている板。
そのためノーズ、テールに乗った時にしっかりと板が上がって高い位置を保ったままキープができます。
b’s eastというスノーボードショップのライダーである武藤海斗さんはこのLTAの特性を活かして非常に高クオリティの点乗り技を得意としています。
点乗り系ライダーのお手本のようなライダーさんですので、海斗さんのような滑りをしたい方はLTAがおすすめです。力
2.キレのある点乗りトリックをしたいなら「YONEX ACHSE」
2本目に紹介する板はYONEXの ACHSE。グラトリ界ではすでに多くの人から支持を得ている人気な板ですね。
ACHSEは、ノーズテールのフラットな部分を従来品より拡大し、安定してプレスを踏みやすくしています。
また雪面に対してノーズ、テールの角度が緩やかに作られていて、板の端を少ない力で楽に踏むことができ、点乗りもやりやすい作りとなっています。
YONEXライダーでACHSEを乗っている藤田アマネさんは、キレのある動きと点乗り系グラトリが人気です。
藤田さんのような、キレのある点乗りと安定感のある乗り味を味わいたい方にオススメです。
3.ダブルキャンバーで高反発な板なら「011Artistic DOUBLE FLY SPIN」
3本目に紹介する板は011ArtisticのDOUBLE FLY SPINです。
これはグラトリ界のミスター点乗りと言っても過言ではない011のグラトリライダー古川嵩康さんが乗っている板です。
DOUBLE FLY SPINは011Artisticの中でも一番ベーシックで扱いやすい板である「DOUBLE FLY」をダブルキャンバー形状にした板。
ノーズ&テールの外側にしっかりと張りを持たせているため、オーリーでの強い反発が得られるというメリットがあります。
ダブルキャンバーの板で点乗りをしたいなら是非おすすめしたいです!
4.粘りのある点乗りをしたいなら「MOSS TOTO BLACK SF」
次に紹介するのはMOSSのTOTO BLACK SFです。
SFというのはソフトフレックスという意味で、TOTO BLACKにはノーマルフレックスとソフトフレックスの2種類があるので注意をしてください。
TOTO BLACK SFはグラトリ界のレジェンド長谷川健太さんが乗っていたことで爆発的に人気が出ました。
また、現代の最強グラトラーの中川智貴さんが乗っていたこともあり、巷ではTOTO BLACK SFブームに再び火がつくのではないかと言われています。
こちらは中川智貴さんがTOTO BLACK SFを使っている映像です。
TOTO BLACK SFは、板の素材にバンブー(竹)を使用しており、粘りのある反発が特徴的。
あとは何と言っても「PLAY BLACK」のかっこいいソールが魅力的ですので、竹のしなやかな反発性を感じつつ、このソールに目を惹かれた方にはぜひおすすめしたい板となっています。
5.スタイル抜群の点乗りがしたいなら「MOSS CIRCUS」
3本目に紹介する板はMOSSのCIRCUSです。
こちらもグラトリ界のレジェンド長谷川健太さんが使用しているモデルとして有名です。
CIRCUSは独自の特殊な形をしていて、
- 通常のキャンバー形状(1個目)
- ノーズとテールにそれぞれ1つずつのキャンバー(2,3個目)
- 左足と右足の下のそれぞれ1つずつのキャンバー(4,5個目)
と計5つのキャンバーから作られています。
こちらの方はCIRCUSに乗っていて、ノーズとテールをうまく使いながらトリックしていますね。
バター系と点乗り系で迷っている人におすすめの板
ここまで読んでみて、
「点乗り系とバター系どちらもできるようになりたいなあ」
「まだどっちを練習したいとか決められるレベルじゃないんだよなあ」
という方は、以下の2つの板がオススメです。(※解説部分に飛びます)
上記の板は「ダブルキャンバー且つソフトフレックス」の板となります。
バター系でも点乗り系でも基礎の乗り系グラトリを練習するには最も適した板となりますので、ぜひチェックしてみてください!
さらに:板が決まったらオーウェンから練習してみよう
板が決まったらぜひチャレンジして欲しいのがオーウェンです。
オーウェンというトリックには乗り系の基礎が詰まっていて、乗り系を上手くなっていきたいという方にはぜひ習得してほしい技の1つ。
こちらがオーウェンの映像です。
オーウェンはコンパス・プレス・プレスの載せ替え・板を返すという4つの動きから成り立っており、色んな基礎が詰まっていて決して簡単なトリックではありません。
初級者だけではなく中級者や上級者もクオリティを高めようと練習しています。
いきなりオーウェンに取り組むと挫折する可能性が高いので、まずはオーウェンに使われている技術を分解して1つ1つ練習していきましょう。
オーウェンに必要な基礎練習
オーウェンにチャレンジする時にはまず以下の基礎練習をできるようになってから組み合わせて練習しましょう。
これらはオーウェンができるようになるための必要な基礎練習です。
STEP1:フロントテールプレス(レギュラー・グーフィー両方)
※動画の2番目にやっているプレスがフロントテールプレスです
STEP2:フロントノーズコンパス360°
STEP3:ソネ360°
グラトリ歴6年の僕が考えるオーウェンへの近道は上記の技がスムーズにできることです。ぜひチャレンジしてみてください![/say]
まとめ
乗り系グラトリにオススメの板を紹介しました。
注意点として、バター系に向いている板、点乗り系に向いている板として紹介した板がどちらしかできない訳ではありません。
あくまで「やりやすい」という観点で選んでいますのでご安心ください。
一言に乗り系といっても、魅せ方次第で全く違う技に見えるのが乗り系グラトリの魅力です。
ぜひあなたの目指したい乗り系スタイルに合わせて板を選んでみてください。