この記事をご覧になっているということは、
「グラトリとカービングやフリーランどちらもやりやすい板ってないの?」
「グラトリ板でもカービングはできるし、カービング板でもグラトリはやろうと思えばできるよね。どうやって選べばいいの?」
「2枚買わずにできれば1枚で済ませたい」
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか。
今回は、グラトリとカービングやフリーランのを両方楽しんでいる私が、
- グラトリとカービング・フリーランをどちらもやりやすい板10選
- グラトリとカービング・フリーランを両立する板を選ぶときのポイント
- そもそもグラトリ板とカービンング板どちらを選べば良いのか?
に関して解説していきます。
理由は、グラトリ板でカービングの練習は十分可能なのですが、カービング板はエッジが長いためグラトリのようなエッジを抜いて回す動作が圧倒的にやりづらいからです。
ですので、どちらも1枚で済ませたいとなった場合には「グラトリ板のなかからカービングのしやすい板を選ぶ」のが現実的な選択肢になります。
例外的に180°など本当に簡単なグラトリであればカービング板でも可能で、そういった方向けの「グラトリもできるおすすめのカービング板」も紹介しますので、是非最後までご覧ください。
とりあえず解説より先に「おすすめ板」を見たい方はこちらのボタンより該当箇所をどうぞ!
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そもそもグラトリ板でカービングするべき?カービング板でグラトリするべき?
グラトリ板でもカービングはできますし、カービング板でもやろうと思えばグラトリできますよね。
そこでどちらの板を選べば良いかは、以下のの基準で選ぶのがおすすめです。
現在初心者でこれからグラトリとカービングどちらも練習したい人→グラトリ板
グラトリメインだったけどこれからカービングも練習したい人→グラトリ板orカービング板
カービングメインだったけどグラトリもしっかり練習してみたい人→グラトリ板
カービングメインでグラトリもやりたいけど、180°〜360°程度で良い→カービング板
それぞれの理由を詳しく解説しますので、自分のやりたい滑りに合わせて該当するところを読んでみてください。
現在初心者でグラトリとカービングどちらも練習したい人
現在初心者で「これからグラトリもカービングもどっちも上手くなりたい!」という人は迷わずグラトリ板を選びましょう。
理由は、グラトリ板はグラトリに特化していますが、どのスタイルにも柔軟に対応できるからですね。グラトリ板をまず使って練習し、ある程度自分の方向性が決まるのを待っても遅くはありません。
グラトリとカービングのどちらの方が、やりたい気持ちが強いのかを意識すれば、優先度は見えて来ます。シンプルにどちらの方が好みか?で決めてもOKですよ!
グラトリメインだったけどカービングも練習したい人
これまでグラトリメインでやってきたけど、これからはカービングもがっつり練習してみたい人は、グラトリ板でカービングもできる、
・RICE28 RT-9
・SPREAD LTA-F
・YONEX ACHSE
などがおすすめです。
もしくはグラトリとカービングどちらも同じくらい楽しめる
・011Artistic MT
・WRX Mk-S
も良いでしょう。
仮にカービングをがっつり練習したかったり、グラトリ板は今すでにお持ちのものがあって、「カービング特化の板があってもいい」という人はカービング向けの板を選んでも良いでしょう。
カービングがメインだけど、グラトリも練習したい人
「これまでカービングがメインだったけど、これからはグラトリも練習したい!」具体的には「ノーリー720やソネなど、レベルの高いグラトリもやりたい」と感じている人はグラトリ板を購入しましょう。
理由は、グラトリ板はカービング板より有効エッジが短いため「ソネ」や「ヒールバック」などのエッジをきっかけで行う技や、「ノーリー720」などの高回転トリックが行いやすいからです。
ちなみに、グラトリ板を使ってもカービングはできますし、「ロングターン」や「ショートターン」、「リバースターン」などもできます。板を立ててボードが真横を向くくらいの深いターンをしたり、ターン中に体を寝かせるビッテリーターンなど、より高度な技はカービング向けの板の方がやりやすいので、注意しましょう。
板を立ててボードが真横を向くくらいの深いターンをしたり、ターン中に体を寝かせるビッテリーターンなど、より高度な技はカービング向けの板の方がやりやすいので、注意しましょう。
カービングメインでグラトリは多少できれば良い人
1日のなかでカービングをメイン(7割以上)でやり、カービングの間にグラトリの180°や360°ができれば良いという人は、無難にカービング板を選びましょう。
理由はカービングへの優先度が高いからです。
例えばターンをしながら「オーリー180」や「コンパス」などの小技はカービング板でも問題なくできます。
また、カービング板は前足側が長い「ディレクショナル形状」が多く、ディレクショナルだとスイッチスタンスの時に、板の前側が短くなり、違和感と滑りにくさを感じます。
ですので、頻繁にグラトリをするならスイッチスタンスにも頻繁になるため、カービング板は不向きというわけです。
※この記事では、グラトリとカービングを両方できる板を紹介していきますので、カービングメインで少しグラトリをしたい人は「OGASAKAのCT」という板をおすすめします。
このように、
- グラトリの方がやりたいのか?
- またはカービングなのか?
- どちらを先に覚えたいか?
を踏まえて、自分の中でグラトリとカービングの優先度を設定しましょう。
グラトリとカービング・フリーランが両方できる板選びのポイント
板選びのポイントを解説する前に、イメージがついた方が理解しやすいと思いますので、まずはグラトリとカービングが両立できている滑りを見て頂きたいと思います。
この方はまさにグラトリとカービングの両立ができているライダーです。
これだけの速度でカービングをしつつグラトリをする為には、エッジの使い方も重要ですが、板の形状やフレックスバランスなども重要になります。
その他にもグラトリとカービングを両立する上で、知っておきたい板選びのポイントがあるので解説していきます。
形状はツインがおすすめ
まず板の形状ですが、ノーズ・テールの長さが対象のツイン形状がおすすめです。
ノーズとテールを使う技が多いグラトリでは「ツイン形状は必須」です。
前足の方が長いディレクショナルボードだとノーズとテールで乗る位置が変わったり、スイッチスタンスに切り替えたときに、滑りの感覚が変わるので、グラトリをするには少し不向きですね。
板の長さは有効エッジも考えて決めよう
板の長さは大切ですが、有効エッジの長さも同じくらい大切です。
有効エッジとは滑走時に使用できるエッジの長さのことをいいます。
有効エッジが長いとターンの安定感が増し、ターンがしやすいです。これはカービング重視ならおすすめの設定ですね。
しかし、グラトリとカービングを両立する上では、有効エッジの長さはカービングボードよりも短めを選択しましょう。
板とトーションの硬さはミディアムを選ぼう
板とトーションの硬さは、ミディアムが最もおすすめです。
板が柔らかいとグラトリはやりやすくても、カービングの安定感が失われやすく、硬いとカービングは安定するが、グラトリは操作しにくくなります。
両方のバランスを取るならミディアムにしましょう。
カービングとグラトリを両立するにはトーションやエッジの使い方も大切になります。
ウエスト幅はブーツのつま先とカカトが出過ぎないくらいがおすすめ
ウエスト幅は太い方が、ターン中の安定感は抜群に良いです。逆にウエストが細いと、クイックな動きがしやすいです。
グラトリでいうとドルフィンターンなどの、トゥ・ヒールエッジを交互に使う技は、扱いやすいです。
なので、この方のようにクイックなグラトリを織り交ぜながらカービングをする場合は、ウエスト幅は細めが良いです。
しかし、ウエストが細すぎてブーツのつま先やカカトが、板からはみ出しすぎるとドラグ(ターン中に雪面に引っかかかる事)に繋がるので、極端に細くするのは注意しましょう。
グラトリとカービングが両方できる板10選
それでは、グラトリとカービングが両立できる板を紹介していきます。
- 初心者でこれからグラトリとカービングを練習して両立したい人向け
- グラトリメインでカービングもやりたい初中級者向け
- 中級者でグラトリもカービングも同じくらいやりたい人向け
3カテゴリに分けて板を紹介するので、ご自身のレベルにあった部分をご覧ください。
初心者でこれからグラトリとカービングを練習して両立したい人向け
1.何を乗ったらいいのか分からないなら「011Artistic DOUBLE FLY」
011ArtisticのDOUBLEFLYはグラトリもカービングもどちらをしたら良いかわからない方や、板は何を乗ったら良いかわからない方におすすめです。
011の中でも一番柔らかいモデルで、迷ったらDOUBLE FLYにするという程、王道の板です。
グラトリにもカービング初心者の方にも扱いやすい板です。
ただ、カービングに寄せた板では無いので、あくまでもカービングは初心者の方におすすめしています。
2.脚力に自信のない方は「RICE28 LIBRE」
RICE28のLIBREは脚力に自信のない方や、板の扱いに慣れていない初心者の方におすすめの板です。
可変キャンバーは、板のテールやノーズに加重を加えた時に地面に接している面積が広くなる事で、プレス時の安定感が通常のキャンバーよりも増しています。
グラトリの基礎でもあるプレスがしやすいので、これからスノーボードを始める方にもおすすめですし、今よりもっとグラトリのレベルを上げたい方、プレスのスタイルを出したい方など、様々な方におすすめです。
3.グラトリとカービングをバランスよくやるなら「RICE28 Diverse」
RICE28のDiverseはRT9など、硬い板だとグラトリがやりにくい方やグラトリやカービング自体も初心者の方などにおすすめの板です。
Diverseはグラトリオールラウンドモデルとして弾き系、乗り系、ラン系など様々なスタイルに適応しているモデル。
これからグラトリやカービングを始めていきたい方や、既にある程度滑ることに慣れていて、これからもっとグラトリやカービングの奥深いところまで極めて行きたい方はDiverseがおすすめです。
4.グラトリとカービングどちらからでも始められる「WRX Mk-T」
WRXのMk-Tはグラトリとカービングのどちらから始めたらいいかわからない方におすすめです。
Mk-Tはダブルキャンバーで有効エッジがやや長めなので、カービングもしやすくグラトリにも適した板です。
なぜなら、ダブルキャンバーはフレックスが柔らかくて、扱いやすい上に有効エッジが長いことで、ターンの安定感も良いです。
従って、グラトリとカービングを両立していてどちらからでも始められます。
なので、どちらから始めようか悩んでいる方でも、まずはカービングからやってみたり、グラトリをやってみたりと、どちらから始めても柔軟に扱えて初心者にもおすすめの板です。
5.初心者レベルから上級者レベルまで一本で成長したい人は「MOSS TOTOBLACK(SF)」
MOSSのTOTOBLACK(SF)は、これからグラトリもカービングも始めて、一本で上級者レベルまで成長したい方におすすめです。
初心者の方でも扱いやすい柔らかさと、プレス時の粘り強さや反発力にも長けているため、初級者レベルから上級者レベルまで対応できる板です。
板に強化用のプレートなどは入れずに、ウッド本来のしなり方をするので、余計な癖がないのが特徴です。
プレートを入れない代わりに、ノーズとテールにカーボンを入れることで、柔らか過ぎないようにフレックスバランスを調整しています。
ウエストも比較的細いので、ドルフィンターンやショートターンなどクイックな動きがしやすくキレのあるカービングもできます。
従って、ナチュラルなしなりに加えて、しっかりと反発ももらえるので、しなりの感覚を覚える初心者に扱いやすく、より高度な動きにも対応できるため、この一本でグラトリもカービングも上達したい方におすすめです。
グラトリメインでカービングもやりたい初中級者向け
6.グラトリもカービングもがっつりやるなら「RICE28 RT9」
RICE28のRT9はこれまでグラトリもしくはカービングにしっかり取り組んだことがあり、ある程度硬めの板でも扱える自信がある方におすすめの板です。
ライスの中でも、高反発オールラウンドモデルなので、高速域でも安定感があるかつ滑りのキレが出せますし、グラトリをする時は高回転系のトリックに向いています。
また、フルキャンバーなので雪面を掴むグリップ力も強いのでキレのあるカービングもできます。
国産ボードならではのねじれの扱いやすさが特徴的なので、カービングをしっかりしつつグラトリもがつがつやっていきたい人にはおすすめですね。
ライスの中でもいちばん硬めの板なので、この文章を見て自信がなくなってしまった場合は、先ほど紹介したDiverseを検討しても良いかもしれません。
7.軽い・反発がある・扱いやすい板なら「SPREAD LTA-F」
SPREADのLTA-Fは、ある程度カービングができて、グラトリも手を出していきたいけど、どんな板が良いのかわからない方におすすめします。
SPREADはグラトリを世に知らしめたライダーの「尾川 慎二」さんが手がけたメーカーで、「軽い」「反発ある」「扱いやすい」をコンセプトに掲げています。
SPREADの中で一番軽量に作られているLTA-Fは、フルキャンバーを採用しています。
可変キャンバーの需要が高まっていますが、フルキャンバーにする事でカービングをある程度してきた人にも順応しやすく、グラトリも始めやすい板なのでおすすめです。
8.テールとノーズに乗る感覚を覚えるなら「YONEX ACHSE」
YONEXのACHSEは、ある程度カービングをしてきた上で、これからグラトリも同じくらい極めていきたいと思っている方におすすめします。
カービングを優先してきた方は、テールとノーズに乗るという動作が少ないかと思います。
なのでいきなりプレス系の技はやりにくく感じますが、この板の特徴を活かせばすぐに乗り系のグラトリもできるようになります。
高回転系のグラトリにも適応しているので、ある程度カービングをしてきた方が、グラトリをするのにピッタリの板です。
中級者でグラトリもカービングも同じくらいやりたい人向け
9.グラトリができるディレクショナルボードなら「011Artistic MT」
011ARTISTICのMTは、グラトリはある程度できて、これからカービングにも力を入れたい方やグラトリもしやすいディレクショナルボードを乗りたい方におすすめです。
MTはこの記事で唯一のディレクショナルボードです。
本来ならグラトリを両立する上で、ディレクショナルボードはおすすめしないですが、MTは他のディレクショナルボードとは少し違います。
よくあるディレクショナルは、ノーズとテールの長さが10cm程差があるのですが、MTの場合は6cmしかないです。
つまり、他のディレクショナルと比較して、グラトリもしやすい形状になっています。
10.グラトリ出身でカービングを極めるなら「WRX Mk-S」
WRXのMk-Sは、グラトリをある程度やり込んでいて、その滑りを崩さずにカービングもやり込みたい方におすすめです。
Mk-Tと同様に有効エッジをやや長めに設定する事で、ターンの安定感が増します。
可変キャンバー形状なので、テールとノーズに加重をかけた時に、地面に接している面積が広くなるので、トリックの安定感も十分にあります。
カービングの際にも雪面を掴むグリップ力もあるので、板がバタつかず、力強いカービングができます。
グラトリをやり込んできた方がこれからカービングにも力を入れて、ラントリを極めたい方にピッタリの板です。
このカービング・フリーラン向けの板でグラトリはできる?
OGASAKA FC
OGASAKA FCはカービング重視の板ではあるものの、「簡単なグラトリ」ならできます。
簡単なグラトリとは「オーリー180やスピン系のグラトリ」を指していて、それくらいならできないことはないです。
セミハンマーヘッド形状といって、板の長さに対して使えるエッジがとても長いので、エッジの食いつきやターン時の安定感は抜群です。
ですので、グラトリ特有の高回転や細かい板裁きは少しやりにくいと感じるかもしれませんが、カービングがメインでたまに簡単な180度などのトリックをしたい場合はOGASAKA FCでも良いでしょう。
OGASAKA CT
OGASAKA CTは色々なモデルが出ていて、
- CT-TWIN
他のグラトリ板と同じくらいのグラトリができる。 - TWIN以外
カービングよりだが簡単なグラトリはできる。
となっているので順番に説明しますね。
OGASAKAの中で唯一のツインチップで、カービングのしやすさはそのままに、グラトリにも特化した板です。
また、有効エッジもグラトリボードと近い値に設定してあるので、他のグラトリ板と同じように「ノーリー720」などのグラトリもできます。
TWIN以外には、セットバック(ビス穴をテール側に寄せている)が入っていて、有効エッジも長めなのでグラトリはやりづらいです。
ですが、「オーリー180」や「ドライブスピン」などの簡単なグラトリはできますよ。
従って、
・ガッツリグラトリもしたい方は CT-TWIN。
・簡単なグラトリができればいい方はTWIN以外がおすすめです。
BCstream DR
BCstreamのDRは、カービング重視の板でありますが、簡単なグラトリならできます。
ノーズとテールの長さが違うディレクショナルボードで、カービングやパウダーランなどに向いた板ですが、スピン系のグラトリならできないこともないです。
ディレクショナルボードで高回転等を狙ったグラトリは難しいですが、ドライブなどのスピン系トリックは可能ですので、カービングやパウダーを滑りつつ、サラッとスピン系のグラトリをしたい場合はDRでも良いでしょう。
グラトリとカービング・フリーランを両方したい人へのおすすめブーツ・ビンディング
自分に合った板を選んだら、次は合うビンディンングとブーツが欲しくなると思いますので、最後に一応紹介しておきますね。
ブーツはDEELUXEのIDがおすすめ
抜群のフィット感を提供しているDEELUXEの「ID」は圧倒的な履き心地で、使用者のレベルを問わず使用できるのでおすすめです。
グラトリとカービングを両立する上でブーツのフィット感は重要です。
DEELUXEの熱成形はインナーブーツを自分の足の形に整えてくれます。この画期的なシステムがDEELUXE最大のメリットです。
ブーツが自分の足にフィットしているかしていないかでパフォーマンスに大きな違いが生まれます。
ブーツ自体の硬さも関係してきますが、大前提としてフィット感は大切なので、業界でも絶大の信頼を寄せるDEELUXEのIDがおすすめです。
ビンディングはUNIONのFORCEがおすすめ
グラトリとカービングを両立する上で、ビンディングとブーツの相性はとても重要なのですが、UNIONのビンディングはどのブーツとも相性が良いです。
UNIONからは何種類ものビンディングが発売されていますが、そのなかでもおすすめは初心者にも扱いやすい「FORCE」。
FORCEはUNION創業からずっと支持されてきているモデルで、グラトリとカービングを両立する上でバランスのいいビンディングです。
UNIONはビンディング業界No.1の信頼と実績があるブランドですので自信を持っておすすめできますね。
まとめ
ということでグラトリとカービングが両方できる板を紹介しました。
今回気になった商品があれば見てみてください。
もう一回本文を読みたい方はこちらのリンクより、紹介している部分に飛べますのでご覧ください。
- 初心者でこれからグラトリとカービングを練習して両立したい人向け
- グラトリメインでカービングもやりたい初中級者向け
- 中級者でグラトリもカービングも同じくらいやりたい人向け